カキタクナッタラ

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カキタクナッタラ

出力することを忘れないように何かを書きます

かつてコールセンターの社員として働いていた私が語るコールセンターのアレコレ

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最近はどうも、ツイッターでもブログでも砕けすぎていて…真面目さというものを忘れてしまいそうなので、たまには真面目に真面目なことを記事にしたいと思います。

タイトルの通り、私はIT系の会社で働く以前はコールセンターのアウトソーサー、要はクライアントから業務を受託され、その会社の窓口としてコールセンター業務を担う会社の社員として働いていたことがあります。その会社の中でも役割としてはIT部門だったということもあり、その流れで後に外資のIT企業へと転職をして、あれやこれやを経て現在に至るという経緯です。

さて、今回の記事ではそんなコールセンターに関するアレコレを語ってみたいと思います。もちろん、コールセンター業務というのは守秘義務があるので、そこに触れるようなことは書きませんが、コールセンターというものを経験したことがない人にとって、多少はコールセンターというものがどういうものなのか?イメージが浮かんでくるような記事になればいいと思っています。

センター内でのそれぞれの役割

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私は社員としてコールセンターの中では主にチームマネジメントやオペレーターの業務研修などを担当していました。或いは本社の営業部門でIT系の業務獲得に特化した営業支援などをしておりました。

なので、コールセンターで働いていたといっても、純然たるオペレーターとして常に電話をとっていたわけではありませんが、入社直後は社員だろうが1オペレーターとして電話をとらせる風習がどのコールセンター会社にもありますし、新しい業務の立ち上げ時や難易度の高い業務、そしてクレーム対応などは社員であっても電話対応をすることになりますが、基本的に皆さんが何らかのコールセンターに電話をかけて、最初に電話をとる人は(一次対応と言いますが)多くの場合は、そのコールセンター会社のアルバイトさん、もしくは派遣スタッフさんです。

コールセンターの社員は主に何をしているかというと、ひたすら電話をとっているわけではなく、オペレーターのシフトを管理したり、手上げ対応やエスカレーションと呼ばれる対応中のオペレーターから出てくる質問に答えたり、オペレーターの音声をリアルタイムでモニタリングしたり、モニタリング結果に対してフィードバックをしたり、クライアントの担当社員と折衝をしたりというのが主な業務内容です。

さらに、もっと役職が上の社員になると(マネージャークラス)そういった現場のオペレーションには一切加わらず、日々のコールセンター運営から生まれてくる数字とひたすらにらめっこをして、クライアント企業の担当者レベルより偉い人と折衝をしたりが主な役割となります。

この他に、コールセンターというのはそのセンターだけで会社経営をしているわけではないので、当然本社がありますし、本社の機能というのは一般的な商社などと同じです。営業やマーケティングの部門もあれば、人事総務部門もありますし、情報システム部門などもあります。

私はいわゆる現場であるコールセンター内でも社員として常駐していましたが、キャリアの半分は現場ではなく本社の中で、普通の企業と同じような営業として働いていました。


アウトバウンドとインバウンドがある

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上の見出し内で「電話をとる」を連呼してしまいましたが、コールセンター業務には大きく分けて2種類あります。1つは「アウトバウンド」と呼ばれる発信業務、もう1つは「インバウンド」と呼ばれる受信業務です。私が先ほどから再三「電話をとる」という言葉を使ったのは、携わった業務が圧倒的にインバウンドが多かったからなのですが、どちらの業務も経験しています。

代表的な発信業務はテレアポや料金関係の督促ですね。そして代表的な受信業務はカスタマーサポートです(製品のサポート窓口など)

あと、これは会社によっていろいろですが、私が所属していた会社はコールセンター業の国内で3番目以内に入る大手だったので「発信」も「受信」も「営業系」も「非営業系」も何でもやっている会社でしたが、アウトバウンドに関してはけっこうそれに特化した営業系の会社が多かったりもします。

それこそ、私が10代後半から20代前半の時期はADSLなどの回線営業系の仕事が羽振り良い時期だったので、そういった回線をハローページに掲載されている番号にひたすら発信して、電話だけで契約をとる「テレセールス」の求人がけっこう多い時期でした。

私も20歳くらいの頃に一時的にそういった会社でセールスをしていましたが、契約をとれる人は優遇されるので天国でしたが、契約をとれない人は灰皿が飛んできたり、かた太りした役員から激詰めされたりする社風の会社もありました(15年近く前はまだまだパワハラなんて言葉はなくてそんな時代でした)

まあ、このような体育会系というかイケイケゴーゴー的なノリは、私が社員として働いていたコールセンターの会社は主にインバウンドを得意としている会社であったためか、アウトバウンド業務においてもそんなことはありませんでしたが…。


オペレーターさんはどんな人?

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コールセンターの中に足を踏み入れたことがない人は、オペレーターというのは消費者金融のCMのようにカチッとした制服を着て、グラビアアイドルっぽい若い女性が電話対応しているイメージが強いと思いますが、実際はそんなことはありません。もちろん、若い女性はいますが(むしろけっこう多いです)ほとんどのコールセンターではオペレーターはアルバイトなので、制服やスーツを着る必要はなく、私服で働いています。

社員は会社やクライアント企業の意向にもよりますが、けっこうスーツかもしれないですね。なので、センター内では誰が社員で誰がアルバイトなのかというのは、服装から見分けがつくことが多いです。

さて、どんな人がオペレーターをやっているかというと、まずはけっこう多いのが「役者」「ミュージシャン」です。これはなんでかというと、シフトのスタイルがこの人たちのライフワークに合っているからです。

BtoB(法人向け)のセンターはきっちり平日の9~18時という営業時間が多いですが、BtoC(個人向け)のセンターは土日祝日も休まず営業していることが多いです。なので、土日のいずれかは出なければいけない反面、平日に休めたりしますし、事前に申請すれば連休もとりやすい職種なので、けっこう自分の夢に向かって何らかの活動をしている人がコールセンターでアルバイトをしていることは多いです。

そして他の仕事と比べて比較的時給は高いというのも役者やミュージシャンが多い背景となっていると思います。

他に多いのは、やはり理由は上記の通りなのですが「学生」です。学生にとっても勉学や遊びに精を出す時期ですし、お金も必要になりますので「シフトの融通がきく」ことと「時給がわりと良い」というのはバイトとして選択しやすい要因となっています。

あとは、東京都心部以外にセンターを構えている業務では、けっこう「主婦」の方が時短で働いていることもあります。東京都心部以外にセンターを構える最大の理由はコストを削減することだからですね。新宿や渋谷だと賃料だけでも馬鹿高いですし、競合となる仕事に溢れているので時給設定も高めにしなければなりませんが、例えば千葉の海沿いや神奈川の外れなどであれば、近所の人が空いた時間で働きたいというニーズにマッチする分、時給は低く設定することができますし、賃料も当然都心の中央部よりは安いわけです。


電話対応はきついか?

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よく、コールセンターという仕事は精神的にくると言われます。確かにお客さんって言いたい放題なので、かなりシンドイと感じる時もあります。私は基本的に「電話だから命までとられるわけじゃないし~」と飄々としているタイプでしたが、それでもクレームに発展した(同じ)お客さんと1週間毎日8時間会話をして怒鳴られ続けた時のストレスは相当でした。

ただ、基本的には…特にユーザーサポートの類では、お客さんも困っていることがあり電話をかけてきているので、それを解決した時の感謝されようというのは、クレーム対応によるストレスを打ち消してくれる快感でもありました。誰しもが怒鳴ってきたり、脅迫まがいのことを言ってきたり、嫌味を言ってくるわけではないので、総合的に見た時に私は電話対応がきついとは思いませんでした。

これは結局、向き不向きの問題になると思いますが、たしかに電話対応というのは相手が理不尽なことを言っていたとしても、時には謝らなければいけないですし、自分に非がなかったとしても反撃するようなことはできません。しかし、それはコールセンターの業務じゃなくても、普通に会社で働いていればどんな役割を担っていたとしても、必ずあることなので、そこを仕事として割り切れるかどうかでしょうね。


コールセンターで扱う業種

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本当にいろいろな業種の会社がコールセンターのアウトソーサーに業務を受託しているので、異動が多い社員はけっこういろんな会社のいろんな職種の窓口を経験することになると思います。

私の場合は、ITに特化していたこともあり、主に関わった業種が外資のソフトウェアベンダーやPC周辺機器のメーカー、そしてネットワーク系の大手などでしたが、人が足りなくて火を吹いている畑違いの業種に助っ人としてアサインされたこともあります。その時は外資のアパレルや教育関係、それから官公庁系のお仕事なども経験することになりました。

このように、コールセンターで取り扱う業種は多岐にわたるわけですが、いま私がパッと出てくるものを挙げると「ソフトウェア」「PC」「PC周辺機器」「ネット・電話回線」「銀行」「消費者金融」「保険」「道路交通系」「アパレル」「化粧品」「教材」「通信販売系」などでしょうか。

どの業種においても、コールセンターのオペレーターとしての電話対応スキル(業界ではソフトスキルといいます)は必須になりますが、それに加えて業種ごとに必要な専門的なスキル(業界ではハードスキルといいます)を習熟する必要があります。

また、業種によって求められるスキルのバランスが多少異なる場合があり、例えばソフトウェアやPCのテクニカルサポート業務は応対のスキルよりも製品スキルなどをどうしても必要とします。そして、金融系の業務は応対のスキルだけでみればテクニカルサポート業務を担当している人よりも総じて高いことが多いです。

これはどうしても扱う話題がお金であるため、相手の感情を制御しなければならない局面が増えるからなんですね。対してテクニカルサポートというのは、綺麗な対応よりも求められるのは解決力なので、失礼な対応がなければ、例えば「ですます調」で話していても解決ができれば問題はなかったりするのです。

このように、コールセンターで取り扱う業種は多岐にわたり、また業種ごとにオペレーターのスキルバランスにも多少の違いがあります。


応対品質のコントロール

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前述した通り、コールセンターでは主に社員がオペレーターの対応をリアルタイムでモニタリングしたり、或いは音声データを後日聴いたりすることで、オペレーターの品質維持に努めています。そして対応に問題があれば、個別にそのオペレーターと面談して問題点をフィードバックすることもありますし、各チェック項目をスコア化したシートを作成したりなど、内的に対応の品質を評価・分析して維持・向上に努めています。

ただ、内的な評価というのはやはり内的な評価なんですね。よくお笑い芸人同士で芸人受けする芸や芸人ってあると思いますが、それと同じで必ずしも内的な評価が電話をかけてきたお客さんの評価とマッチするということではありません。

これはブロガーにとっても同じことですが「自分が良いと思った記事が必ずしも読み手にとっても良い記事ではない」ということです。

そこで最近は、特に外資のソフトウェアベンダーのコールセンターなんかでは、「お客様満足度調査」のスコアというものがKPIと呼ばれる重要業績評価指標の中に含まれています。

お客様満足度調査はサーベイやCS(カスタマーサティスファクション)調査などの呼ばれ方をすることもありますが、実際に電話をかけてきたお客さんのもとに対応が完了すると、電話やメールでその対応に関するアンケート調査が実施されるのです。

アンケートの内容はその会社によっていろいろですが、大体の企業で採用している共通の項目は以下のような感じです。

・その対応全体への満足度(5~10段階の数字で評価)
・オペレーターへの満足度(5~10段階の数字で評価)
・問題は解決したか
・オペレーターの話はわかりやすかったか
・オペレーターの対応は適切だったか
・繋がるまでの待ち時間は適切だったか
・製品に対する満足度(5~10段階の数字で評価)

他にもいろいろアンケート項目は会社によってありますが、大体共通している項目は上記のものになります。そして、各オペレーターはこの満足度調査の結果を常に評価・分析されることになります。

例えば、10段階調査の9か10を90%の割合でとれないと時給が下がるとか、場合によっては契約解除されるとか、私が知っている限りでは外資のIT企業はどこもこのような満足度調査の結果をもとにオペレーターの人事評価をしています。

もしかしたら、数多くの方が使っている超人気スマートフォンのサポートセンターに電話をすると、やたらとハキハキしていて同調してくれたりするのは、この満足度調査で良いスコアを獲得しなければならないからなのかもしれないですね。

このように、最近はけっこう応対品質に対しては厳しいセンターというのが増えてきています(残念ながら、こういう取り組みは一切していない適当なコールセンターというのも一定数ありますけどね…)


おわりに

いかがでしたでしょうか。少しはコールセンターというものへのイメージが湧いたり、これまで知らなかったことが含まれていたでしょうか。ちなみに、たまにお約束事を平然と「俺は(私は)そんなこと言った憶えはない」と言い放つお客さんもいたりしますが、コールセンターでは対応後にログを残していますし、対応の音声も一定期間保存しているので噓をついてもバレるので気をつけましょう(サービス業なのでお客さんに対して嘘つきと指摘したりはしませんが、センターの中ではどのお客さんが嘘つきなのかとか、全部わかっていますw)

そして、前述したようにコールセンターでオペレータをやっている人にはミュージシャンがけっこう多いのですが、ミュージシャンの人ってけっこう出来る人が多くて、外見はモヒカン頭で瞼にピアスしていて怖そうなのに…電話対応ではものすごく気がきいたり、普段はヒップホップをやっていて「ディスってんじゃねーYO!YO!」なんて言ってる人が…ものすごく丁寧に新人へ業務指導をしていたり、なかなかにカオスな環境で面白いところでもあります(^_^;)


以前に書いたコールセンターに関する他の記事はこちらです!

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でででーさん
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